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アルコール依存症の治療プログラムを実況中継します。

入院のメリット・デメリット②(断酒33日目)

[本日のお薬]

・レグテクト(2錠×3:断酒補助薬)

デパス(1錠:不安感を抑える安定剤)

リーマス(2錠:気分の振幅を抑える安定剤)

睡眠導入剤

 -ブロチゾラム(1錠:睡眠薬

 -フルニトラゼパム(1錠:不安を和らげ眠りを持続させる薬)

 

東京に戻ってきた。

今回の京都訪問は、家族とのコミュニケーション面でも、社会復帰に向けた手配りの面でも、満足できるものだった。

 

さて標題の件、入院4日目に①を書いてそれっきりになっているので、 

入院のメリット・デメリット①(入院4日目) - reborn

 

退院してからどう感じているか、どう変わったかをまとめておくことにする。

 

[メリット]

・離脱初期の一番辛い時期に、お酒から遠ざかることができる

 これは、もう言わずもがな、①で指摘したとおり。自分が入院を決断した理由も、自分1人で断酒できる気が全くしなかったからである。

 

・急速に健康になる

 健康になるだろうな、とは思っていたが、予想以上に早かった。肝機能もさることながら、筋肉の丈夫さとしてかなり若返った感じがする。ふくらはぎがカチカチになり、捻った足首や膝痛が治ったのには驚いた。

 

・一日三度の食事の時間・量・内容の感覚が掴める

 これも重要。病院食は、たったこれだけでいいの?という量だが、タンパク質、ビタミン、炭水化物がバランス良く摂れるようになっている。胃袋の大きさが調整されて、適切な量で満腹感を得られるようになった。退院後は、食事の時間・量をまねつつ、内容については、ダイエットの観点からはタンパク質多め、炭水化物少な目を心掛けている。

 

・時間感覚が正常になる

 -時間帯

  食事の時間帯に加え、深夜残業にあたる時間帯は強制的に寝かせられる。

 

 -時間の密度

  30分間隔、15分間隔のミーティングが1日●本みたいなノリが、いかに脳に負担をかけていたかわかった。

 

 -スケジュールの計画性

  プライベートの事情でちょっとした書類仕事をしていたが、1日や2日徹夜すれば何とかなるだろうというのはできない。1週間ちょっとの時間をかけて、コツコツ仕上げる必要に迫られた。

 

・看護師さんのケアが手厚い(外来に比べて治療のきめ細かさが圧倒的)

 物理的な看護もさることながら、心療内科のクリニックやアルコール外来の医師よりも親身になって話を聞いてもらえるチャンスが多い。看護師さんは、かなり注意深く患者を観察しているので、今自分が処方してもらっている薬にも、看護師さんたちから医師に上がった情報がかなり反映しているのではないかと思う。

 

・飲酒欲求の前提になる感情が素で襲ってくる

 不安なら不安がそのまま襲ってきて逃げ場がない。入院中だからこそ、お酒に逃げず自分の感情をコントロールする必要に迫られる。

 

[デメリット]

 ①では、入院することでお酒を我慢する訓練が不足するのではないか?との懸念をデメリットとして挙げたが、むしろ逆だった。上記のように不安なら不安にそのまま対処する訓練を入院中に積むので、退院しても、あっけないほど飲酒欲求が湧かない(もちろん、今は仕事のストレスに晒されていないということが一番大きいのだが)。

 その代わりに、以下を挙げておく。

 

・食事、行動が不自由

 これは、当然。もう少し痩せることを期待していたが、別に体を絞る前提ではないので、それ用の食事やトレーニング環境ではなかったということ。

 

・患者どおしのコミュニティーとの付き合い方を決めなければいけない

 実は、これがやっかいだ。1か月も入院していれば、自然と患者どおしのコミュニティができてくる。そもそも、アルコール依存患者は、(自分も含めて)人付き合いが苦手な人がなる(と思っている)ので、世間よりもさらにこじらせたコミュニティができてしまうわけだ。

 

※余談として、入院時の誓約書に「院内恋愛禁止」が謳われているのは???だったが、実際患者どおしのカップルができつつあるのを目撃してしまった。。。

 

 入院を1か月で切り上げた判断の背景には、実はこういった要素もなくはなかった。 

 特に注意すべき点を2つ挙げておくと、

 

 -思った以上にリピーターが多い

  複数回入院している患者が、思った以上に多い。こうした患者が、依存心が高い場合、やたらと話しかけてきたり(本来恥ずべき自分の失敗談を面白おかしく話すなど)、挙句の果てには治療プログラムの内容を訳知り顔で教えてくれたりするので、注意が必要である。下には下がいるというふうに認識してしまうと、自分が回復に向かうきっかけとなる「底つき感」を鈍らせることにもつながるので、決して近づいてはいけない(気の毒だとは思うが、自分は患者であって医者や看護師ではない)。

 

 -群れるグループが現れる(タバココミュニティー)

  もともと自分は、オフィスビルに設けられているタバコ部屋が大嫌いだった。が、入院してまでタバココミュニティーが形成されているのには、辟易した。病院敷地内が禁煙なので、自由時間に付近で(あたかも不良高校生のように)ウンコ座りで喫煙しているグループが現れる。統計的に禁煙しないと著しく断酒の成功率が下がることがわかっているそうだが、精神構造的には居酒屋でダラダラと世間話や上司の悪口をいっているのと何ら変わりないのだから当然だ。入院しておきながら、せっかくの内省する機会を自ら手放しているように見えた。

 

今のところのまとめは、こんな感じ。

 

入院しようと思ってする人はいないだろうし、アルコール依存で入院する場合は、社会的に大変なダメージを受ける。

ただ、入院する患者さんは大概の場合、4-5年前からアルコール依存の自覚を持っているケースが多く、自分もそうだった。

そして今、いろいろな条件が重なって入院できてラッキーだったぐらいに思っている自分がいる。純粋にアルコール依存を治すという意味では、メリットに比べてデメリットは大したものではない。違う病名で入院できるのであれば、そうしたっていいと思う(例えば肝硬変で90日入院します、といって嘘にならないケースもあると思う)。

 

以上が、今の自分の率直な思いだ。

 

さて今日は、京都から帰ってきたばかりで疲れているのに、何故か筆が進んでしまった。

入院時の就寝時間(22:00)を過ぎているので、眠剤飲んでもう寝ます。

おやすみなさい m(__)m

 

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